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3月, 2018の投稿を表示しています

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レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界

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  株式会社アコースティックフィールド さん主催のACOUSTIC FIELD presents『立体音響ラボ Vol.7』立体音響ワークショップ #7 「バーチャル・オーディオ・リアリティの世界」へ行ってまいりました。 場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。 扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。  暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。  ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。  シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。  球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。  暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。  ここで一部体験者インタビュー。 イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。 制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。 プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。 会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。 サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。 サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。  筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。  さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音

Rain Song / 三枝伸太郎・小田朋美 [music review]

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 三枝伸太郎・小田朋美による2018年3月発売のアルバム「わたしが一番きれいだったとき : When I was young and so beautiful」の中の1トラック。アルバムジャケットはAyana Mizunoさんのやわならか色使いのアブストラクト・アート。レーベルはRME Premium Recordings / OTTAVA Records。  録音は2017年10月5、6日、東京・ 三鷹市芸術文化センター 風のホール にてPCM 32bit/192kHzで行われ、レコーディング・ミキシングは著名なMick Sawaguchi氏(沢口音楽工房)、ディレクターはTakeshi Mitsuhashi氏(シンタックス・ジャパン)、DSDエンジニアは同じくTakuro Nishizawa氏がクレジットされています。    冒頭、小田さんの軽い息継ぎからはじまります。そして台詞のような穏やかな声の歌に三枝さんの柔らかなタッチの音が乗りながら、ゆっくりとした時間で曲は進みます。歌の旋律にピアノがつづき、ピアノの音色が消えゆく先に再び歌詞が続いていく。台詞のような歌に和音が乗り、声のような旋律に歌が乗る。  声に耳を傾向けると切ない言葉。きみを思うぼく、と一人称で語りかけ、ふたりの描いたゆめ、と三人称で描写する。そしてまたきみへの心象を吐露する。その情景を連想しながら間奏の旋律を意識すると、鍵盤の左手は雨音、右手は雨色。さながら言葉と鍵盤の合奏による抒情表現。作詞は小田朋美、作曲は三枝伸太郎。    Synthax JapanさんのYoutubeチャンネルでは三枝伸太郎さんと小田朋美さんの収録時インタビューをご覧いただくことができます。    声の細やかな質感と歌唱表現のニュアンス、ピアノの高低豊かな音域と自然な音色、演奏者の明確なポジション、そしてホールの聡明な響き。ピアノとヴォーカルのシンプルなデュオながら厚みある音(このトラックにはチェロの関口将史さんは不参加と思われる)。Synthax Japanの サイト にはミック沢口氏とエンジニア各氏の録音時の手法が紹介されています。  当アルバム作品もPCに取り込みMQA対応DACのデコーダを通すとMQA認証マークが青色点灯します。レゾリューションは2

コラム 音楽メディアとフォーマット・MQA Part14

 2018年3月13日、Stereophileのジョン・アイバーソン氏が「 MQA: Benefit and Costs 」と題する記事を掲載しました。今までAS WE SEE ITシリーズの中ではMQAを総論的に捉えていましたが、今回もビジネスの側面からMQAの一面を考察しています。該当の記事から引用し意訳させて頂きます。 ・  「これまでMaster Quality Authenticated(MQA)の作品についての技術的な詳細については、いくつかの記事で十分に述べられてきました。しかし技術的詳細は一部に過ぎず、おそらく関心事の多くでもありません。そして多くの人々が極めて感情的な反応をして苛立つことでもありません。それでは多くのオーディオファンが反応するMQAのビジネスと実践的な要素について考えましょう。」  「MQA社の視点での成功とは?」  「"成功”は、全てではないしにしても、録音物のほとんどの新譜やバックカタログがストリーミング、ダウンロード、そしてその他でMQAがマスターとして使われるときです。MQAエンコードでマスターとリリースされた割合が高いほど良いのです。MQAは音楽の録音物に限定されてはならず、ポッドキャストを含む すべて の録音や、最終的にはすべての形式のビデオに付随するオーディオがターゲットになります。低解像度やマルチチャンネルのMQAがおそらく待ち構えています。」  「多くがMQAでリリースされることは、多くのライセンスフィーがMQA社へ発生します。そして多くのレコーディングがMQAで のみ リリースされ、デファクトスタンダードになるという転換点です。それからFLACやWAVのようなフォーマットが去り、MQAの覇権が増大します。SpotifyやApple Musicが採用すればゲームオーバーです。」  「MQAはこれをどのように成し遂げるのでしょうか?」  「MQAは音楽関係者を誘うことでレコード業界にとって大きな利益をもたらします。第一に、巧みなロッシー圧縮スキームは帯域幅の上辺が減るので、ファイルの保存および配信コストを削減します。第二に、MQAは単一パッケージに複数の解像度を搭載できますので、複数の目録を削減しマスターだけで良いというわけです。そして勝負を決する第三の最終的なメリット

Wasted / Radka Toneff [music review]

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 Radka Toneffによる2017年12月発売のアルバム「Fairytales」の中の1トラック。Radka Toneffさんは1982年に夭逝されたノルウェーのジャズシンガー。地元ノルウェーのみならず世界中でロングセラーな作品ですから、音楽ファンの方々はすでにご存知かも知れません。作詞はアメリカのFran Landesman氏、作曲はRadka Toneff自身が行なっています。  オリジナル「Fairytales」はwith  Steve Dobrogosz (ピアニスト)としてOdin Recordsより1982年にリリース。その後リマスター盤が発売されてきました。Grappa Musicの ウェブサイト にはリリースノートが。そこには”ノルウェーで最も売れたジャズアルバムであり、2011年にはノルウェーのミュージシャンによる投票で最高のアルバムに選出された”とあります。  録音は1982年2月、デジタル録音機材とグランドピアノを備えたノルウェー・ベルゲンの Grieg Hall で行われ、プロデュースはArild Andersen氏、9曲が2晩でレコーディングされ、My Funny Valentineは1979年11月、オスロのNRK(Norwegian Broadcasting Corporation)にてErling Wicklund氏のプロデュースによりアナログ録音された*としています(*CDライナーノーツから)。SACDとMQA-CDとのハイブリッド盤です。      DobrogoszによるG♭- E♭で始まるグランドピアノのやや強めのタッチのイントロダクションに続き、風のように流れるような旋律にRadkaの優しく澄んだ声が乗ります。相対的に導入部分のピアノは印象的なインパクトを与えています。Gコードの明るめの楽曲ですが、実は 歌詞 はどことなく憂いある切ない恋の歌です。  ”Wasted=無駄”。あなたと過ごせない時間は無駄よ・・・再びあなたの腕の中に戻るまでは・・・と。Wastedという言葉を歌詞の冒頭に何度も繰り返し用い、より強がりな心が目立たされているように感じられます。そう思うと余計に切なさを想起させますが、歌詞と楽曲との間にあるギャップにジャズ表現が成り立っているようにも思います。

Quartet / Steve Reich [music review]

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  Steve Reich による2018年2月発売のアルバム「Pulse / Quartet」の中の3トラック。朝(夕)焼けの地平線が鏡像として広い湖畔の水面に浮かんでいるような幻想的なアートワークが目を引きます。レーベルはクラシックレーベルの Nonesuch Records (ワーナーミュージックグループ)。  録音は2016年5月、ロンドンの Air Studio Lyndhurst Hall で行われ、ミキシングは John Kilgore Sound & Recording のJohn Kilgore氏、マスタリングは著名な Gateway Mastering Studios のRobert C. Ludwig氏がクレジットされています。       Colin Currie Group のメンバーによる2台のピアノと2台のヴィブラフォンによるアンサンブル。Quartetは三楽章からなり、冒頭ピアノから始まる第一楽章はすぐにヴィブラフォンの音色が重なり、広義の打楽器同士のパフォーマンスは早いリズムに乗り、それぞれの音色を主張し合いながら深いところで融合しています。  第二楽章ではヴィブラフォンの澄んだクリスタルな高音が滋味深いピアノの低音にゆっくりと変化していくような不思議な情景を音響スピーカーの向こうにイメージさせます。そして第三楽章では再びピアノとヴィブラフォンの美しい音色が軽快なリズムに乗ってあたかも楽しげに踊りながらエンディングを迎えます。    ミニマル・ミュージックは難しいと言われることがありますが、この作品は音に心を委ねてみるとなんだか音が踊っているようで、そう捉えると楽しい気分になります。スティーブ・ライヒ氏関連の近作では、 Kuniko Kato さんの「 Kuniko Plays Reich (Vinyl盤)」を愛聴していますが、パフォーマンスは違えど通じるところがあるように思います。  実はこの作品はStereophileの 記事 で話題となりましたが、無印のMQA-CDです。PCに取り込み再生するとデコーダがMQA認証しグリーンに点灯します。ストリーミングサービスTIDALの無印盤も同様です。MQA-CD以外の音源としては24bit/96kHz(FLAC)、Spotify、

コラム Bloggerテーマをレスポンシブ対応のContempoへ変更

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  ブログのテーマ変更  半年に一度くらいGoogle Analyticsをチェックしますが、ここ数年はモバイル・タブレット閲覧が増加傾向にあり、おおよそ30%超はパソコン以外からのアクセスです。またSNSからのリンクも少なからずあることから、読者のみなさんのユーザビリティ、UXを向上させることを目的としてUIを先々月より変更しました。  当ブログは開設以来、GoogleのコンテンツにあるBloggerのサービスを利用しており、UIはBlogger公式テーマ(テンプレート)を使っています。公式テーマは数パターン準備されており、従来の「シンプル」(これを使っていました)「旅行」「 エスィリアル」「ウォーターマーク」 「Awesome Inc.」 そして数年前より「動的ビュー」が加わりました。  「動的ビュー」は読者側が複数のデザインから能動的に選択変更できるという斬新なUIで、なかなか公式テーマを追加しないGoogle Bloggerの新テーマという目新しさもありましたが、能動的に変更できることがむしろブロガーの意図する構成と異なる要素にもなるため採用を見送りました。  また巨大なユーザーを抱えるGoogleだけあって、非公式の有料無料ブログテンプレートが海外では盛んに提供され、1度となく検討したことがありますが、その場合、テンプレート編集は原則CSSがメインとなるため、CSSに不慣れな筆者にとって導入時に大きく時間的コストを制約されるという点がデメリットでした。   Wordpressへの移行検討  そこでもう一つ考える選択肢はWordpressへの移行です。その場合のメリットとデメリットを考えました。 ・アドレス変更を伴う ・サーバーが必要 ・無料プランではBloggerと同等のサービスが受けられない ・有料プランではBlogger以上の機能サービスが受けられる  Wordpressのメリットは他にもありますが、Blogger同等の機能・サービスで考えるとパッケージが大き過ぎる点が難点です。  読者のみなさんがブログタイトルは覚えてもアドレス(URL)を記憶しないように、アドレス変更はブロガー側の自己満足的な要素が大きく、且つ変更の際にはリダイレクトやアナリスティクのURL変更など作業コストが上がるだけ

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