投稿

10月, 2019の投稿を表示しています

INFORMATION

お知らせ ページトップの「検索」のほか、サイドバーとページ中段にインデックスを設けています。
お知らせ Stay Healthy and Safe. No War

Latest Post

レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界

イメージ
  株式会社アコースティックフィールド さん主催のACOUSTIC FIELD presents『立体音響ラボ Vol.7』立体音響ワークショップ #7 「バーチャル・オーディオ・リアリティの世界」へ行ってまいりました。 場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。 扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。  暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。  ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。  シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。  球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。  暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。  ここで一部体験者インタビュー。 イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。 制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。 プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。 会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。 サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。 サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。  筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。  さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音

レビュー エドガー・モロー 無伴奏チェロ・リサイタル

イメージ
 兵庫県立芸術文化センターで行われた「 エドガー・モロー 無伴奏チェロ・リサイタル 」へ行って参りました。10月に入り朝晩、窓から入る風には涼を通り越してやや寒さを覚え始めています。そんな週末の午後は突き抜ける青空に雲が気持ちよく浮かんで漂うような好天に恵まれました。公共交通機関を利用し、会場へと続く人波に続きます。  広場前にはいつものようにダンス練習に励む若者たち。エントランスには忙しく行き交う人々とCD販売のブースに人だかりができていました。KOBELCO 大ホールには開演15分前に到着。座席は1階中央。ステージには背板のない椅子と低い譜面台のみ。年齢構成は幅広く子供の姿も目立ちました。  開演を告げるアナウンスのあと客席が暗転。下手よりエドガー・モローさんがチェロを持ちステージに歩み寄ると客席は大きな拍手で迎えます。黒のスーツ、開襟の白シャツ、靴下は茶系のチェック柄、エナメルの黒靴。モローさんが客席に深々と一礼し、椅子に着座。いよいよ開演です。    演目は  ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007  ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009   (休憩)  ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012  (アンコール)  今回は2018年の兵庫県立芸術文化センター・KOBELCO大ホールでの リサイタル 以来、同会場での2度目の観劇です。しかもオール・バッハの無伴奏チェロ組曲のプログラムはモローさんの魅力がより伝わってくることを期待し、と同時に無伴奏チェロ組曲の曲目自体への渇望を催し、胸が高鳴ります。  バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番:お馴染みの旋律。チェロの胴鳴り豊かな響きがホールに満たされ、広い音域はステージ全体を楽器に見立てたかのような鳴り。プレリュードが終わったときに拍手したいくらい惹き込まれる演奏でした。バロック時代の空間を想像しながら現代の音をオーバーラップさせ聞いていました。  バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番:第一番につづき、目を閉じるとあたかもアンサンブルで弾いているかのような錯覚、重奏感のある厚みを音に感じます。あまりにも心地よい響きにこくりこくりと舟を漕ぐ周囲の客席。夢うつつに近い現

コラム ある日の僕と彼女とFMラジオ

イメージ
 休日の朝。雲ひとつない秋空。  ワックスで磨いた車を一周し、最後は車内を点検する。  父から借りた国産セダン。格好いいとは言えないが燃費が良い。  なにより背伸びしない車は学生には丁度いい。  帰りが遅くなると母に告げ、家を出る。  運転席に乗りパーキングに位置したシフトを確認、フーッと息を吐き出す。  キーを回すとエンジンがブオンと音を立てアイドリングが始まる。  エンジンの振動と僕の鼓動とが同期する。  エアコンのスイッチを入れ、カーラジオのツマミに手を伸ばす。FM80.2MHz。  ラジオプログラムはSunday Music Market。  Primal Scream「Rocks」が途中から流れる。  アクセルを踏むと車が走り出す。後部にはFM802のバンパーステッカー。    待ち合わせ時刻を少し遅れて到着すると、彼女は家の手前で待っていた。  車窓を開け手を挙げると、彼女は笑みを浮かべて近づいてくる。  助手席に置いていたバッグを慌てて後部座席へ放り投げ、席を空ける。  彼女はドアを開け車内を覗き込む。彼女「おはよう!」僕「おはよう」  車内で少し遅れたことを詫びる僕。少し怒ったふりして微笑む彼女。  一般道からインターチェンジを抜けて、高速道へと合流する。  少しぎこちない会話。カーステレオのカセットテープを回す。  夜な夜な作ったポップ&ロック集。ヒットソングに彼女の好きな曲を込めて。    彼女が小さく歌い始める。僕も一緒に口ずさむ。  Spitz「青い車」が流れ「この曲、好き!」と彼女。「いいよね!」と僕。  「本当?」と運転席に視線を移す彼女。「だってテープ作ったの、僕」。  二人でくすくす笑い出す。テープはB面へと切り替わる。  「いい天気。気持ちいいー!」と彼女。「Yeah!」と僕。  彼女の楽しそうな横顔。  アクセルペダルを踏み込み車を加速させる。  やがてインターチェンジが見えてくる。  一般道へ降りるとテープがA面へと戻る。  カーステレオへと手を伸ばしラジオへ切り替える。FM80.2MHz。  二人でラジオから流れる音楽を口ずさむ。  彼女の歌声を聞きながら目的地のパーキングへと車を停める。  

ラベル別INDEX

もっと見る

New Release