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レビュー エドガー・モロー 無伴奏チェロ・リサイタル

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兵庫県立芸術文化センターで行われた「エドガー・モロー 無伴奏チェロ・リサイタル」へ行って参りました。10月に入り朝晩、窓から入る風には涼を通り越してやや寒さを覚え始めています。そんな週末の午後は突き抜ける青空に雲が気持ちよく浮かんで漂うような好天に恵まれました。公共交通機関を利用し、会場へと続く人波に続きます。

 広場前にはいつものようにダンス練習に励む若者たち。エントランスには忙しく行き交う人々とCD販売のブースに人だかりができていました。KOBELCO 大ホールには開演15分前に到着。座席は1階中央。ステージには背板のない椅子と低い譜面台のみ。年齢構成は幅広く子供の姿も目立ちました。

 開演を告げるアナウンスのあと客席が暗転。下手よりエドガー・モローさんがチェロを持ちステージに歩み寄ると客席は大きな拍手で迎えます。黒のスーツ、開襟の白シャツ、靴下は茶系のチェック柄、エナメルの黒靴。モローさんが客席に深々と一礼し、椅子に着座。いよいよ開演です。






 演目は
 ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
 ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
  (休憩)
 ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012
 (アンコール)


 今回は2018年の兵庫県立芸術文化センター・KOBELCO大ホールでのリサイタル以来、同会場での2度目の観劇です。しかもオール・バッハの無伴奏チェロ組曲のプログラムはモローさんの魅力がより伝わってくることを期待し、と同時に無伴奏チェロ組曲の曲目自体への渇望を催し、胸が高鳴ります。





 バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番:お馴染みの旋律。チェロの胴鳴り豊かな響きがホールに満たされ、広い音域はステージ全体を楽器に見立てたかのような鳴り。プレリュードが終わったときに拍手したいくらい惹き込まれる演奏でした。バロック時代の空間を想像しながら現代の音をオーバーラップさせ聞いていました。

 バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番:第一番につづき、目を閉じるとあたかもアンサンブルで弾いているかのような錯覚、重奏感のある厚みを音に感じます。あまりにも心地よい響きにこくりこくりと舟を漕ぐ周囲の客席。夢うつつに近い現実に意識を置きつつも、モローさんが楽章の合間に額を拭う仕草が記憶に残ります。

 休…

コラム 音楽メディアとファーマット・MQA Part18 - 音楽レーベルの視点から

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ここ数年、MQAを採用するオーディオデバイス・ハードウェアメーカー、レコード会社・音楽レーベルが規模の大小を問わずハード・ソフトの両面で増え始めています。そこで今回は、MQA-CDをリリースしたレコード会社・音楽レーベルがなぜMQAを採用したのか、おたずねしてみることに致しました。

 ご意見を承ったのは、当ブログで過去に音楽レビューさせて頂いた”西川彩織グループ「Dreamer」”のプロデューサーでありdoLuck Jazz主宰・平井清貴氏と、"岸淑香Trio「Life is too Great」”のプロデューサーでありティートックレコーズ代表・金野貴明氏です。音楽レーベルがなぜMQAを選んだのか。それでは制作サイドの生の声をどうぞご覧ください。

 尚、記事化にあたり都合上、構成や[]部など一部編集を行なっています。


doLuck Jazz主宰・平井清貴氏


 MQAを採用した経緯

平井氏「私がMQAに最初に接したのは、2017年秋に東京・吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」で開かれたオーディオイベントでした。そこでMQA-CDの音を聴き、ボブ・スチュワート氏の話を聞いて、その場でMQAの採用を決めました。」


 MQAを採用する理由

平井氏「理由はいくつかあります。まず、CDパッケージにハイレゾ音源を収納できること。ハイレゾへの展開は専用のデコーダーが必要だが、44.1kHz/16bitの信号はそのまま問題なく一般のCDプレーヤーで再生できること。MQAにエンコードしたデータを用意すれば、以降のCD製造工程に何ら手を加える必要がないこと。ライセンス費がCD制作費を大きく押し上げることがないこと(実際、doLuck Jazzのような小さなレーベルでも)。MQAでの再生音が、まさに録音スタジオの調整卓の前で聴いているサウンドの空気感を見事に再現していたことなどです。」

平井氏「なかでも最大の理由は、通常のCD再生でも時間軸のブレの改善効果がある程度得られるということです。これはユニバーサル[ミュージック]さんも採用決定の大きな理由であったと聞いております。衰退の一途をたどるCDというメディア復権のきっかけになればという思いもありました。そうして年内に契約を結び、翌2018年よりMQA-CDの制作を開始しました。」


   MQA制作のプロセス

平井氏「それまでは主に88.2…

金のビトウ / 岸淑香Trio [music review]

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Sayaka Kishi Trioによる2019年4月発売のアルバム「Life is too Great」からの1トラック。 ピアニスト・岸淑香(きしさやか)によるトリオとしてのファーストアルバム。アートワークはバンドメンバーによるモノクロームのポートレイト。クールなイメージのショットにタイトルの赤が印象的なジャケットデザイン。

 レーベルはT-TOC RECORDS。録音は2018年12月10-11日、T-TOC STUDIOにて行われ、レコーディング・ミキシング・マスタリングはTakaaki Konno氏、ディレクターはMegumi Sasaki氏、プロデューサーはTakaaki Konno氏がクレジットされています。ジャケットデザインと写真もTakaaki Konno氏によるもの。M2,6,7を除く全ての作曲は岸さんです。







T-TOC Recordsの公式YouTubeチャンネルでは#10 Trip! or Tweet?のPVをご覧いただけます。
 インプレッシブなピアノによる主旋律のメロディ。ミニマルだが一度聞くとどこか心をくすぐり耳に残る。織原良次さんのフレットレスベースと山田玲さんのドラムはサウンドにキレと深み。ピアノがステージで踊り、ベースがグルーヴするインプロヴィゼーション。タムの心地よい音とリズム。やがてキーボードのエレクトリックサウンドが乗り、恍惚的な境地へと展開。

 ”金のビトウ”という楽曲のネーミング。微糖(甘さ)の感じられる曲への欲求から出来上がった旨が岸さんのコメントとしてライナーノーツに記されています。成熟し落ち着いたビター・トーンのなかに麗しい儚さ、そこに甘美でスイートな味わい感じる楽曲。またスムーズでリリカルなテイストをも併せ持つ。なるほどラウンジや書斎でリラックスしながら聞くのもいい。

 そして”金のビトウ”から”I have a dream”、そして”Life is too great”へと至る曲並びに垣間見えるアルバム作品の美意識。アコースティックピアノの複雑な響き、エレキベースのソリッドな深み、スネアドラムやシンバルのクリアな打音、演奏終盤の微細な余韻表現、あるいはサウンドステージに優れた音質も聞きどころです。

 当アルバム作品をPCに取り込みMQA対応DACのデコーダを通すとMQA認証マークが青点灯します。MQA-CDの…

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