投稿

1月, 2019の投稿を表示しています

INFORMATION

お知らせ ページトップの「検索」のほか、サイドバーとページ中段にインデックスを設けています。
お知らせ Stay Healthy and Safe. No War

Latest Post

レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界

イメージ
  株式会社アコースティックフィールド さん主催のACOUSTIC FIELD presents『立体音響ラボ Vol.7』立体音響ワークショップ #7 「バーチャル・オーディオ・リアリティの世界」へ行ってまいりました。 場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。 扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。  暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。  ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。  シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。  球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。  暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。  ここで一部体験者インタビュー。 イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。 制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。 プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。 会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。 サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。 サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。  筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。  さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音

コラム ラウドネスウォー Part3 ターゲットラウドネスとアルバムノーマライゼーション

イメージ
 2017年6月に コラム ラウドネス・ウォーは本当に終了するのか!?・Part2  を投稿後、 約1年半が経過いたしました。その後の状況は、世界最大のユーザーを要するストリーミングサブスクリプション・Spotifyがターゲットラウドネス-14LUFSに設定したことや他のサブスク動向などのトピックスがメディアに取り上げられ、それを主題やきっかけにしてラウドネスメーターの用語解説など音楽制作サイドから啓蒙が始まったことと認識しています。   ラウドネスウォー(音圧競争)とは?  そもそもラウドネスウォーとは何なのか?という読者の皆さんの疑問へ”途中”から簡単に説明しますと、テレビ番組のチャンネルを切り替える場面ではあまり音量調整しないのに、オーディオで音楽を聞く場合は音量差(ジャンプと呼ばれる)を感じることがあります。これは前者が音量感のばらつきを揃える規定を国内外で2012年に策定しましたが、後者は勧告はあるものの規定までには至ってないためです。背景には後者は前者の放送電波のように統制する組織がないという事情があります。  音のばらつきはCDをプレーヤーで聞くリスナーがアルバムに合わせてボリューム調整を行う場面がイメージしやすいでしょう。その原因はメディアに収録されている音源の一番大きな音の位置や強弱の量が他のアルバムと異なっており、それが音量感としてラウド/ソフトと感じるからです。そのことを逆手にとったのか、音が大きい方が目立ち良く聞こえるという制作サイドの思い込みがバイアスとなり、結果として音がラウドでダイナミクスを失なった楽曲を量産させています。  音の大きさのレンジ(幅)やレベル(水準)を表す指標としてDRメーターやラウドネスメーターがあり、近年は等ラウドネス曲線(K-weight)とゲート(重み付け)を組み込んだラウドネスメーターが普及しています。後述いたしますが、絶対値を基準にしたラウドネス・ノーマライゼーション機能を前提にすれば後者の方が実用的と言え、既に放送業界でスタンダードという理由もあり、最近のDRメーターもラウドネスのLUFS/LKFSスケールで確認できるようになっています。(*1)  2012年に著名なエンジニア等で構成されるMusic Loudness Allianceがラウドネス・ノーマライゼーシ

コラム MQA 認証・デコード・レンダリング

イメージ
  メディアで 既報 (ESSが世界初、MQAハードウェアレンダリング対応のオーディオ向けDAC「ES9068Q」/編集部:風間雄介 2019年01月04日)の通り、ESS Technology社がMQAレンダリング機能を統合したDAC ICのリリースを正式発表いたしました。先述の記事によると2019年1月のCESでお披露目となるようですので、2018年5月の プレリリース から1年以内の動きになります。  MQAレンダリングとは?  そもそもMQAレンダリングとはどういうものなのでしょうか。当ブログの過去記事と既知の事項からのおさらいです。  1. MQAエンコードファイル(以下、MQAファイル)のデコードには3つの区分 Authenticate (認証) Decode (デコード) Render (レンダー)  MQAによると、認証とデコードはソフトウェア(TIDALデスクトップアプリ、Audirvana、Amarra等)でも行われますが、レンダーはハードウェア(DAC)で必ず行われるものだそうです。DAC製品には認証・デコード・レンダーを全て行うものがあるということです。MeridianやMytekのDAC製品が該当するでしょう。  一般的にデコードを行う製品はデコーダー、レンダーのみを行う製品はレンダラーと呼称していますが、レンダラーは認証・デコードは行ないません。  レンダラーの需要は、たとえばUSB Audio Class1スペックのUSB-DACのような96kHz上限の製品の場合、ソフトウェアデコーダーで96kHzまでのコアデコードを行い、レンダラーでオリジナルサンプリングレート(たとえば384kHz)まで展開するような場面にあり、他にもメーカーが既存製品のMQA対応へローコストで負担が軽くアップグレードできるなど、メリットがあるようです。(*1)  2. MQAファイル再生は4通りの選択肢 24bit/192kHz MQAファイルの場合 (括弧内は呼称) [角括弧内は展開数] デコーダーなし... 24bit/48kHz (ノンデコード) ソフトウェアデコード[1st]... 24bit/96kHz (コアデコード) ハードウェアデコード[1st & 2nd]... 24b

レビュー 大友直人 & ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・ シンフォニー・オーケストラ guest 村治佳織

イメージ
 兵庫県立芸術文化センターで行われた「 ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ 第7回 兵庫公演 」へ行って参りました。正月は幸い天候に恵まれ、平野部を一望すると遠い山々の稜線まで見渡せる澄んだ空気。当日も比較的温暖な週末の午後、街ヘ出ると車両こそ少なめでしたが、歩道は人々で混み合っていました。  会場には開演30分前に到着いたしました。広場には待ち合わせらしき人影やダンス練習に興じる若者の姿が視界に入るいつもの光景。新年が明けて最初に観覧するクラシックコンサートは”兵庫県政150周年記念事業”というコンサバティブな見出しが付く2013年から続いているニューイヤーコンサートです。  エントランスはいつもより正装や着飾った老若男女で溢れ活気がありました。KOBELCO 大ホールに入るとステージには中央に赤い絨毯の指揮台と舞台一杯に大編成オーケストラのセット。2台のハープ、複数のマリンバ。座席は2階左寄り。開演間近のアナウンス後、ステージ下手の扉が開き、企画・構成者の一人である 三枝成彰 さんが登壇しプレトークと題し演目解説が始まります。  その後、ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラの皆さんがステージに集い、コンサートマスターの崔文洙さんらによりチューニングが始まります。音程が揃ったところで客席が暗転、企画・構成者のもう一人、指揮者の大友直人さんがステージに登場するとひときわ大きな拍手が起こります。いよいよ開演です。  演目は ・スッペ:「軽騎兵」序曲 ・ヴェルディ:「運命の力」序曲 ・ロドリーゴ:アランフェス協奏曲  (休憩) ・ベルリオーズ:幻想交響曲    ”名手たちの交響楽団”というサブタイトルにあるように、ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラのメンバーはN響、日響、読響、新フィル、フリー等々、国内の名手たちで構成されています。そしてゲストにクラシックギタリストの 村治佳織 さんが出演し、見どころ聴きどころが満載です。      スッペ:「軽騎兵」序曲。冒頭に管楽隊による華々しいファンファーレが鳴り響くお馴染みの楽曲。ややもすると絢爛さが目立つところを、ほのかに大人しやかさが調和し、艶やかさとのバランスが絶妙な音色。弦楽隊による斉整たる高俊

ラベル別INDEX

もっと見る

New Release