投稿

5月, 2017の投稿を表示しています

INFORMATION

お知らせ ページトップの「検索」のほか、サイドバーとページ中段にインデックスを設けています。
お知らせ Stay Healthy and Safe. No War

Latest Post

レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界

イメージ
  株式会社アコースティックフィールド さん主催のACOUSTIC FIELD presents『立体音響ラボ Vol.7』立体音響ワークショップ #7 「バーチャル・オーディオ・リアリティの世界」へ行ってまいりました。 場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。 扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。  暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。  ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。  シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。  球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。  暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。  ここで一部体験者インタビュー。 イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。 制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。 プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。 会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。 サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。 サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。  筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。  さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音

コラム 音楽メディアとフォーマット・MQA Part9

イメージ
   先ごろ、ドイツのStereo.de誌に「 Bob-Stuart-Interview in voller Länge 」と題する MQAのボブ・スチュアート氏インタビューが掲載されました。内容からMQA懐疑論として拙稿 Part8 で取り上げたHIGHRESAUDIO社とXIVERO社の ホワイトペーパー への回答と捉えています。冒頭、スチュアート氏は上記ペーパーについてMQA論文を深く理解していないと率直にコメントしています。その上でAEG論文, MQA公式サイト" BobTalks ", Stereophile, ComputerAudiophileのQ&Aを引き合いに否定的に反論しています。  ペーパーはあえて懐疑的傾向を意図したもので、その目的の一つがMQAではデジタルドメインの音声信号へアクセスできないとして解析ツール供与にあったとみなせば、MQAコアのデジタル出力あるいはデコーダのアナログ出力でベースバンドがアップサンプリングされたかどうか判断するには十分だとのスチュアート氏のコメントはその回答であり、ハイレゾやハイレートが必ずしもロスレスでもオリジナルでもないという考えの下に、MQAはマスターをエンコードすることを目的としているとの説明に納得したかどうか、その判断はHIGHRESAUDIO社側にあると言えるでしょう。  一方でMQA公式サイト上で" BobTalks "が始まりました。BobTalksではMQAプロジェクトの哲学、背景、技術解説が改めてなされていますが、従来のコンバータ処理の欠点やそれを克服するための現代のリマスタリングのエフェクト効果を疑問視し、MQAでは時間分解能、ノイズの安定性、アナログにじみに焦点を当てエンコードプロセスで録音素材の技術的分析を行いながら、音源に付加することなくアーチファクトを除去することで繊細で自然さ、明快で空間を感じることができるとするコンセプトを紹介しています。MQAは独特な言い回しが多いのですが、このプロセスも古い録音のfinger-print(指紋)を除去する"white-glove(白い手袋)"というフレーズで、言うなればくすんだ古い絵を掃除するようなものだとしています。  またそもそもMQAとはマスター音源の品

Broken Glass / SIA [music review]

イメージ
  SIA [Broken Glass]  今年の Rocord Store Day は10周年だったそうです。4月22日から29日までの一週間、世界のレコードショップあるいはウェブでセールスプロモーションやイベントが開催されていました。キックオフした2008年と言えばアメリカで低迷していたレコード売上が再び上がる兆しが見える頃ですので、今日のレコード再考のムーブメントとRecrod Store Dayの関わりは決して小さくはないだろうと思います。  レコードストアデイの公式ウェブサイトには レギュレーション が掲載されていますが、アメリカ・イギリスはレコードショップが主流、日本は特殊でCDショップが健在であるけれどそれでも街のショップがなくなってきているなかで、個人経営のショップを特に応援する旨の説明がなされています。昔は街の目抜き通りにあったレコードショップですが、やがて賃料の安い雑居ビルの上階に上がりはしたものの、ショップスタッフの雰囲気やオンリーワンが感じられる空間は昔とあまり変わりません。      シーアによるRecord Store Day 2017発売のアルバム「Spotify Sessions」の中の1トラック。同曲も含め2016年発売のアルバム「This is Acting」と2013年の映画「The Hunger Games: Catching Fire」のサウンドトラックに起用された1曲で構成された全6曲のEP盤です。ご存知のように「This is Acting」は2016年度グラミー賞ベストポップスボーカル部門にノミネートされ、ビルボードチャート4位の大ヒット作品です。とくにAliveのPVには日本人が出演したことでも注目を集めました。    まずこのEP盤「SIA Spotify Sessions」は先述の通り評価の高い曲をパッケージした小作品集の趣向があります。アルバムアートはお馴染みのブラック&ホワイトのウィッグ。今回は可愛いらしい女の子バージョン。そしてSpotify主催による特別なプログラムはシーアのボーカルとピアノ&コーラスのシンプルな構成のアコースティックセッションです。シーアの高い歌唱力と素晴らしい楽曲のエッセンスを凝縮したようなアルバムです。  シーアの楽曲

コラム bandcampの使い方

イメージ
 bandcamp (バンドキャンプ)はsoundcloudと並びいま注目の音楽提供サービスです。bandcampもsoundcloudもプロ・アマ問わずアーティストやリスナーが音楽ファイルに自由にアクセスできる点は同じです。しかしsoundcloudがストリーミングやセールスプレビューの要素が強いのに対しbandcampはダウンロード配信やフィジカルメディアの販売を伴う点に違いがあります。  bandcampは数年前から欧米のメディアで取り挙げられ、日本でもインディーズ系ミュージシャンを中心に楽曲販売のプラットフォームとして利用する機会が増えているようです。その仕組みですが、アーティスト側が楽曲のサンプルをフルスケールで提供し、楽曲の価格の最低金額を決定します。なかには無料の楽曲もあります。リスナー側は楽曲を試聴し、価格の高値を決定し支払い楽曲を取得します。取得はダウンロードか配送です。  価格設定は一義的にはアーティスト、対価に見合うかの判断はリスナーが行います。このシステムはドネーション(寄付)文化がベースにある欧米的なサービスですが、一度体験すれば慣れるまでもなくダウンロード配信サービスと同じように利用することができます。しかしその魅力は音楽ファンがbandcampへ2億ドルを投じた実績をすればこれがただものではないことが想像できます。難しことはさておき、実際に使ってみましょう。 bandcamp.comにブラウズすればアーティスト、ジャンル別に音楽カタログを試聴できます。ただこれだけではウィッシュリスト、アーティストのフォロー、モバイルストリーミング等ができませんのでアカウントを取得します。モバイル用アプリもあります。 1. 右上のsign upのartist/fan/labelからfanを選択 2. メールアドレス・パスワード・ユーザー名を決定 3. アカウント確認メールがメールボックスに届き有効化すれば完了 4. bandcampの右上からlog inしましょう  最近はマイナーレーベルやインディペンデントで活動しているアーティストが楽曲の販売プラットフォームとしてbandcampを利用しているところに遭遇する機会が増えてきました。それだけbandcampがアーティストに拡がっているものと思われますが、

ラベル別INDEX

もっと見る

New Release