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コラム ラウドネス・ウォーは本当に終了するのか!? Part4 エルコ・グリム氏インタビュー

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2019年10月17日、アメリカ・ニューヨークで行われた147th AES(Audio Engineering Society) カンファレンスセッションにて、オランダ・ユトレヒト芸術工科大学のEelco Grimm氏(以下、グリム氏)が「Analyzing Loudness Aspects of 4.2 million Music Albums in Search of an Optimal Loudness Target for Music Streaming」と題する論文を発表しました。

 タイトルを意訳すれば”音楽ストリーミングの最適なラウドネスターゲットの調査における420万の音楽アルバムのラウドネス状況の分析”。グリム氏はかねてよりラウドネスウォーに関する研究を行っており、当ブログでも彼の提言を取り上げさせて頂いています(*1)。今回の論文は、提言の根拠となる被験者テストなどの詳細な調査研究データを含む内容です。

 論文を読むと、はじめに研究の動機が簡潔に明示されています。音楽ストリーミングサービスTIDALはジャンプを最小限に抑えリスニングエクスペリエンスを改善するためにラウドネス・ノーマラーゼションの採用を検討していたが、音楽ストリーミングのラウドネス基準が無かったためデータを最適に使用する方法がわからなかったということ。そこでグリム氏が以下の二つの提案を行いました。
モバイル機器と据置機器の最適な音楽ストリーミング・ターゲットラウドネスレベルはどれくらいか?アルバムのコンテキスト以外を聴く場合、ソフトトラックとラウドトラックの相対的なラウドネスを保持する必要があるのか?
 さらに、ボブ・カッツ氏(マスタリングエンジニア)のプロダクションを引用しつつ、トラックノーマライゼーションかアルバムノーマライゼーションか、アルバムノーマライゼーションの場合は全てのファイルの平均ラウドネスに基づくかアルバムの最もラウドなトラックに基づくかという制作サイドとリスナーサイド双方に関わる観点と、モバイル機器が音楽消費時間に占める割合の増加傾向とAES td1004勧告やCelenecルールの観点も加味し、上記提案をより具体化します。

数十年にわたる制作レベルと、スマートフォンなどの現在のパーソナルミュージックプレーヤーの制限を考慮した音楽ターゲットレベルの賢明な選択…

コラム 音楽メディアとフォーマット・MQA Part9

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先ごろ、ドイツのStereo.de誌に「Bob-Stuart-Interview in voller Länge」と題する MQAのボブ・スチュアート氏インタビューが掲載されました。内容からMQA懐疑論として拙稿Part8で取り上げたHIGHRESAUDIO社とXIVERO社のホワイトペーパーへの回答と捉えています。冒頭、スチュアート氏は上記ペーパーについてMQA論文を深く理解していないと率直にコメントしています。その上でAEG論文, MQA公式サイト"BobTalks", Stereophile, ComputerAudiophileのQ&Aを引き合いに否定的に反論しています。

 ペーパーはあえて懐疑的傾向を意図したもので、その目的の一つがMQAではデジタルドメインの音声信号へアクセスできないとして解析ツール供与にあったとみなせば、MQAコアのデジタル出力あるいはデコーダのアナログ出力でベースバンドがアップサンプリングされたかどうか判断するには十分だとのスチュアート氏のコメントはその回答であり、ハイレゾやハイレートが必ずしもロスレスでもオリジナルでもないという考えの下に、MQAはマスターをエンコードすることを目的としているとの説明に納得したかどうか、その判断はHIGHRESAUDIO社側にあると言えるでしょう。

 一方でMQA公式サイト上で"BobTalks"が始まりました。BobTalksではMQAプロジェクトの哲学、背景、技術解説が改めてなされていますが、従来のコンバータ処理の欠点やそれを克服するための現代のリマスタリングのエフェクト効果を疑問視し、MQAでは時間分解能、ノイズの安定性、アナログにじみに焦点を当てエンコードプロセスで録音素材の技術的分析を行いながら、音源に付加することなくアーチファクトを除去することで繊細で自然さ、明快で空間を感じることができるとするコンセプトを紹介しています。MQAは独特な言い回しが多いのですが、このプロセスも古い録音のfinger-print(指紋)を除去する"white-glove(白い手袋)"というフレーズで、言うなればくすんだ古い絵を掃除するようなものだとしています。

 またそもそもMQAとはマスター音源の品質を証明するプロセスでもありますが、そ…

Broken Glass / SIA [music review]

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SIA [Broken Glass]

 今年のRocord Store Dayは10周年だったそうです。4月22日から29日までの一週間、世界のレコードショップあるいはウェブでセールスプロモーションやイベントが開催されていました。キックオフした2008年と言えばアメリカで低迷していたレコード売上が再び上がる兆しが見える頃ですので、今日のレコード再考のムーブメントとRecrod Store Dayの関わりは決して小さくはないだろうと思います。

 レコードストアデイの公式ウェブサイトにはレギュレーションが掲載されていますが、アメリカ・イギリスはレコードショップが主流、日本は特殊でCDショップが健在であるけれどそれでも街のショップがなくなってきているなかで、個人経営のショップを特に応援する旨の説明がなされています。昔は街の目抜き通りにあったレコードショップですが、やがて賃料の安い雑居ビルの上階に上がりはしたものの、ショップスタッフの雰囲気やオンリーワンが感じられる空間は昔とあまり変わりません。





 シーアによるRecord Store Day 2017発売のアルバム「Spotify Sessions」の中の1トラック。同曲も含め2016年発売のアルバム「This is Acting」と2013年の映画「The Hunger Games: Catching Fire」のサウンドトラックに起用された1曲で構成された全6曲のEP盤です。ご存知のように「This is Acting」は2016年度グラミー賞ベストポップスボーカル部門にノミネートされ、ビルボードチャート4位の大ヒット作品です。とくにAliveのPVには日本人が出演したことでも注目を集めました。





 まずこのEP盤「SIA Spotify Sessions」は先述の通り評価の高い曲をパッケージした小作品集の趣向があります。アルバムアートはお馴染みのブラック&ホワイトのウィッグ。今回は可愛いらしい女の子バージョン。そしてSpotify主催による特別なプログラムはシーアのボーカルとピアノ&コーラスのシンプルな構成のアコースティックセッションです。シーアの高い歌唱力と素晴らしい楽曲のエッセンスを凝縮したようなアルバムです。

 シーアの楽曲は鼓動のようなビート、印象的でストレートな旋律、変化自在の表現力の豊かな…

コラム bandcampの使い方

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bandcamp (バンドキャンプ)はsoundcloudと並びいま注目の音楽提供サービスです。bandcampもsoundcloudもプロ・アマ問わずアーティストやリスナーが音楽ファイルに自由にアクセスできる点は同じです。しかしsoundcloudがストリーミングやセールスプレビューの要素が強いのに対しbandcampはダウンロード配信やフィジカルメディアの販売を伴う点に違いがあります。

 bandcampは数年前から欧米のメディアで取り挙げられ、日本でもインディーズ系ミュージシャンを中心に楽曲販売のプラットフォームとして利用する機会が増えているようです。その仕組みですが、アーティスト側が楽曲のサンプルをフルスケールで提供し、楽曲の価格の最低金額を決定します。なかには無料の楽曲もあります。リスナー側は楽曲を試聴し、価格の高値を決定し支払い楽曲を取得します。取得はダウンロードか配送です。

 価格設定は一義的にはアーティスト、対価に見合うかの判断はリスナーが行います。このシステムはドネーション(寄付)文化がベースにある欧米的なサービスですが、一度体験すれば慣れるまでもなくダウンロード配信サービスと同じように利用することができます。しかしその魅力は音楽ファンがbandcampへ2億ドルを投じた実績をすればこれがただものではないことが想像できます。難しことはさておき、実際に使ってみましょう。




bandcamp.comにブラウズすればアーティスト、ジャンル別に音楽カタログを試聴できます。ただこれだけではウィッシュリスト、アーティストのフォロー、モバイルストリーミング等ができませんのでアカウントを取得します。モバイル用アプリもあります。

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 最近はマイナーレーベルやインディペンデントで活動しているアーティストが楽曲の販売プラットフォームとしてbandcampを利用しているところに遭遇する機会が増えてきました。それだけbandcampがアーティストに拡がっているものと思われますが、同時にsoundcloud, Spotify,…

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