投稿

1月, 2017の投稿を表示しています

INFORMATION

お知らせ Google+API廃止の方針に伴いGoogle+アカウントによるコメント等は2019年3月以降、非表示になります。ご承知おき下さい。
お知らせ ページトップの「検索」のほか、サイドバーとページ中段にインデックスを設けています。

Latest Post

コラム ラウドネス・ウォーは本当に終了するのか!? Part4 エルコ・グリム氏インタビュー

イメージ
2019年10月17日、アメリカ・ニューヨークで行われた147th AES(Audio Engineering Society) カンファレンスセッションにて、オランダ・ユトレヒト芸術工科大学のEelco Grimm氏(以下、グリム氏)が「Analyzing Loudness Aspects of 4.2 million Music Albums in Search of an Optimal Loudness Target for Music Streaming」と題する論文を発表しました。

 タイトルを意訳すれば”音楽ストリーミングの最適なラウドネスターゲットの調査における420万の音楽アルバムのラウドネス状況の分析”。グリム氏はかねてよりラウドネスウォーに関する研究を行っており、当ブログでも彼の提言を取り上げさせて頂いています(*1)。今回の論文は、提言の根拠となる被験者テストなどの詳細な調査研究データを含む内容です。

 論文を読むと、はじめに研究の動機が簡潔に明示されています。音楽ストリーミングサービスTIDALはジャンプを最小限に抑えリスニングエクスペリエンスを改善するためにラウドネス・ノーマラーゼションの採用を検討していたが、音楽ストリーミングのラウドネス基準が無かったためデータを最適に使用する方法がわからなかったということ。そこでグリム氏が以下の二つの提案を行いました。
モバイル機器と据置機器の最適な音楽ストリーミング・ターゲットラウドネスレベルはどれくらいか?アルバムのコンテキスト以外を聴く場合、ソフトトラックとラウドトラックの相対的なラウドネスを保持する必要があるのか?
 さらに、ボブ・カッツ氏(マスタリングエンジニア)のプロダクションを引用しつつ、トラックノーマライゼーションかアルバムノーマライゼーションか、アルバムノーマライゼーションの場合は全てのファイルの平均ラウドネスに基づくかアルバムの最もラウドなトラックに基づくかという制作サイドとリスナーサイド双方に関わる観点と、モバイル機器が音楽消費時間に占める割合の増加傾向とAES td1004勧告やCelenecルールの観点も加味し、上記提案をより具体化します。

数十年にわたる制作レベルと、スマートフォンなどの現在のパーソナルミュージックプレーヤーの制限を考慮した音楽ターゲットレベルの賢明な選択…

コラム MQAをなぜ探るのか?

イメージ
TIDALのMQA対応以降、フォーマット論争が再燃しています。

 海外の幾つかのフォーラムでは技術論、マーケティング論、総論とバラエティに富んだ議論が盛んに行われています。それに比べ国内ではMQAの議論が盛り上がりに欠けます。端的に言えばメディア露出が少ないことが挙げられます。このあたりはマーケティング・プロモーションにコストをかけないメーカーの姿勢の表われなのか?わかりませんが、拙稿のMQAの連載には多くのビューを頂きMQAへの関心の高さをうかがい知ることができます。

 そもそも拙稿でMQAを取り上げることになった動機はシンプル、現在のメディアフォーマットには問題があるという意識があります。具体的に言えば、アーティストや制作関係者が音楽経済活動だけでは成り立たない状況に声を上げていることに対し、関心を抱きやがてシンパシーを感じることに至ったことが発端です。

 そこで自らメディアフォーマットについてより理解を深めるために”音楽メディアとフォーマット”というコラムを書き始め、そのうちにDSDやMQAといったフォーマット論に至ったという経緯です。音楽業界の声の中身とは主にアーティスト報酬に代表される権利のことで、その問題は音声信号のクオリティやメディアフォーマットの利便性などと同じくらい大きな問題意識として感じていました。

 その問題は現在ストリーミング・サブスクリプションサービスの課題そのものでもあり、Spotify, Apple Music, TIDALに代表されるストリーミング・サブスクリプションサービスは収益とアーティスト報酬とのバランスが課題となっており、著名なアーティストがSpotifyのアーティスト報酬が低すぎるとして音源提供を拒んだというニュースは世界を駆け巡りました。また、たとえ低レゾリューションの音源でも無料で配給する状況に賛否が割れています。

 ダウンロード配信も例外ではありません。こちらはスタジオマスター音源を配給すること自体に抵抗するアーティストの姿勢があります。これはデジタルメディアが容易にコピーやリッピングできることに起因する本来アーティストが得るべき報酬機会を損ねている問題であり、このファクターの裏返しとしてDRM・コピープロテクションを有したメディアは売れないという矛盾を抱えたままになっています。ですからアーティストはマ…

コラム 音楽メディアとフォーマット・MQA Part7

イメージ
先週はTIDALのMQA対応のトピックスに接したばかりですが、その後、参加レーベルで三大メジャーレーベルの一つ、ワーナーミュージックのMQAフォーマット版のダウンロード配信がその翌日から開始されたようです。すでにディストリビューターのHIRESAUDIOにはメジャータイトルのMQAフォーマット版がカタログリストに掲載されています。

 さらにStereophile誌の記事(Major Hi-Res Breakthroughs
By Jason Victor Serinus • Posted: Jan 6, 2017)ではTIDALのMQA対応だけでなく、ソフトウェア&ハードウェアデコーダー実装機種や参加ディストリビューターの名が列挙されています。またステレオサウンド誌の記事(【麻倉怜士のCES 2017リポート】Vol.07 MQA、遂にユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージックと正式契約?
2017年1月12日/麻倉怜士)では、今後さらにMQAに大きな進展がありそうだとの展望がなされています。まだまだMQA関連のトピックスはしばらく続きそうです。

 さて、TIDALのMQA対応はソフトウェア&ハードウェアデコード切替が可能ということでしたが、そのデコード機能について区分があるようです。AudioStreamの記事(MQA Decoding Explained By Michael Lavorgna • Posted: Jan 11, 2017)によれば、エンコードされたMQAファイルのデコードには4通りの再生方法があると解説されています。以下、意訳引用させていただきます。



画像出典元:AudioStream

 MQAエンコードファイルは4通りの再生方法があります。
・デコーダーなし
・ソフトウェアデコード
・ハードウェアデコード
・ソフトウェアデコードとハードウェアデコードとの組み合わせ
 24bit/192kHz MQAファイルをiTunesと通常のDAC(MQA非対応)で再生すれば、レゾリューションは24bit/48kHzです。

 24bit/192kHz MQAファイルをTIDAL HiFi(Masters)、 Audirvana,、Roonのようなソフトウェアデコーダーと通常のDAC(MQA非対応)で再生すれば、レゾリューションは24…

コラム 音楽メディアとフォーマット・MQA Part6

プレ・プレスリリースされていたTIDALによるMQA配信が始まりました。三大メジャーレーベルの一つ、ワーナーが数万タイトルを準備し今春リリース予定とのStereophile誌の記事(MQA and Warner: the Real Scoop By Jim Austin • Posted: Oct 29, 2016)に接していましたので、今回の若干早めのランチはCES2017にプロモーションを合わせてきた感じでしょうか。また公式ウェブサイトではMQAは30,000Tracks超と記載され、他のレーベルと併せて30,000曲+αという規模のカタログビューにはビッグネームのメジャータイトルが列記されています。

 MQA対応の詳細については、CD音質相当(16bit/44.1kHz)の転送レートのTIDAL HiFiがTIDAL MASTERSとしてアップグレードしたようです。レゾリューションは24bit/96kHz相当との数字が発表されています。公式アナウンスはありませんが、先述のStereophile誌の記事から想像するに、ワーナーはアナログマスターからのデジタル化のアクションの一環でもあるようなので、単なるコンバートではなくMQAの意義でもある、より高品位なサービス内容なのかもしれません。付随的情報はTIDALのリリースを待つか、Stereophile誌の記事をご参考下さい。

 また機能面ではPhile-webの記事(TIDAL、ハイレゾ相当音質での音楽ストリーミングを開始MQA 96kHz/24bitにて 編集部:小澤貴信 2017年01月06日)にあるようにソフトウェアデコードとハードウェアデコードの切替機能が実装されています。これは拙稿でも取り挙げたComputerAudiophileの記事(A Comprehensive Q&A With MQA's Bob Stuartby

 The Computer Audiophile Published on 04-07-2016 09:16)においてMQAのボブ・スチュアート氏がソフトウェアデコードが可能と述べていたことが有言実行されたことになります。ただ音質的にはハードウェアデコードの方が有利ということなので、今後様々なオーディオ環境で比較検証がなされることと思います。

 それから今回のM…

2017年、始まりました。

イメージ
新年、明けましておめでとうございます。

 今年の元旦は空気こそひんやりとしていましたが、うららかな陽気は何とも正月らしい穏やかな雰囲気。初日の出を拝み、御節を頂き、近所の神社へと初詣に出掛けました。既に参拝客が多くいた境内は普段とは異なる賑わいがあり、御神籤で今年の運試し。昼過ぎからは自宅で夢うつつのなか、音楽三昧。

 正月と言えどルーティンのインターネットラジオは欠かせません。iTunesから本家ではないClassicFMのポピュラーナンバーを聴きながらのスロースタート。真空管の灯を入れつつ、横になりながらスタンダードな音色に身も心も任せます。またプレイリストからヒラリー・ハーンのアンコールやベートーヴェンのピアノソナタ、夜はジャズボーカルなどを堪能いたしました。

 年頭の写真は例年同様にデスクトップの写真です。20数年前に東急ハンズで買い求めたはしご椅子の座面にMacbookを置いています。ワークスペースはミニマルに。ミニマル過ぎるという声もありますが。ベッドに腰掛けながら膝置きでタイピングしたり場所を変えてダイニングテーブルへと移動したり、インターフェースには必要時につなげるスタイルは慣れれば案外いいものです。

 オーディオ環境は一昨年、昨年と変化をいたしましたので今年は大きな変更を加えない予定です、と年初に自重宣言しておきます。いや少しだけ、少しならば、少しだから・・・。そんな中で演奏会やレコードを含むソフト鑑賞、それとDIYや楽器などの時間に投資できればと思っています。今年は昨年以上にゆっくりとマイペースでの更新予定です。

 今年も「Float A Flow」をどうぞよろしくお願い申し上げます。


ラベル別INDEX

もっと見る