レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界
場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。
扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。
暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。
ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。
シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。
球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。
暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。
ここで一部体験者インタビュー。
イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。
会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。
サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。
筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。
さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音響・映像表現のオプションができると感じました。この点を久保さんに伺うと、意図したものであるとお答えがありました。過去のAR/VR体験と比べ最もクオリティの高い音体験であることは言うまでもありません。
この体験会の前日にRittor Baseさんの公式YouTubeチャンネルで今回の体験会のオンラインワークショップが行われました。そのアーカイブズが現在閲覧できますので、技術的な詳細をお知りになりたい方は、ACOUSTIC FIELD blogで久保さんが「立体音響ラボ Vol.7 ウォークスルーVRデモの解説」とRittor Baseさんの公式YouTubeチャンネルと併せてご覧ください。
最後に、今回のセミナーは作品ではなく技術展示であること。開催動機は立体音響の裾野を広げるために行なっていることをお伺い致しました。また配信は多くの方に体験してほしいとのことでした。アコースティックフィールド & Rittor Baseのスタッフのみなさん、そして久保二朗さん、貴重な体験の機会をありがとうございました。- INORI
16日・17日の15時から19時まで
— Jiro KUBO (@acousticfield) June 17, 2022
薬師寺 食堂(じきどう)にて
evala (See by Your Ears)インスタレーション「共振空間」
その後
大講堂前にて中村獅童さん、演出・振付を藤間勘十郎さん、WOWの映像演出による新作歌舞伎舞踊「瑠璃光」 https://t.co/0KwewGjn0U
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