投稿

6月, 2017の投稿を表示しています

INFORMATION

お知らせ ページトップの「検索」のほか、サイドバーとページ中段にインデックスを設けています。
お知らせ Stay Healthy and Safe. No War

Latest Post

レビュー 立体音響ラボ バーチャル・オーディオ・リアリティの世界

イメージ
  株式会社アコースティックフィールド さん主催のACOUSTIC FIELD presents『立体音響ラボ Vol.7』立体音響ワークショップ #7 「バーチャル・オーディオ・リアリティの世界」へ行ってまいりました。 場所は東京・お茶の水駅からすぐのRittor Base。地下1階へ階段を下りていきます。 扉を開けると、薄暗い室内にPCやモニター類。  暗幕カーテンの中に3つの球体、アコースティックフィールド・久保二朗氏とスタッフが機材を調整中。  ヘッドホンを装着しタブレットPCをキーボード操作している模様。NGを前提にカメラを構えると、撮影OKが出ました。複数のアプリケーションが起動しています。  シュアーのヘッドホン。ヘッドバンドにトラッカーが装着されています。  球体はシルバーカラーのスピーカー。ワイヤレス?実はダミー。体験者に方位感覚を示すために設置しているとのこと。  暗幕カーテン内で照明を落とすとダミースピーカーだけが浮き上がってきます。体験者はこのトライアングルの真ん中に立ち、ヘッドホンとリュックサックを背負い立体音響を体験することになります。  ここで一部体験者インタビュー。 イベンター:面白かった。もし暗幕でなかったら、と想像した。 制作者:視覚を奪わないのでいい。雰囲気作りが短い時間でできる。 プログラマー:ヘッドセット使ってない。土砂降りだけど濡れていない。絵がないぶん想像する。映像と組み合わせてもいいが、単純に音だけでもいい。音だけの方が解像度があるようだ。 会社員:音が当たる。面ではなく音が降ってくる感覚。沖縄にいるような不思議な体験。インスタレーションのようなアートで使われることになれば世界観が広がるのではないか。 サウンドデザイナー:素敵。敏感さが素晴らしい。立体感のある雨がいい。映像より音だけの方が広がるのか。 サウンドデザイナー:高さ方向が出ていた。動いているか感覚があった。画面がないことが新鮮。  筆者の感想も重なりますが、冒頭は音の定位音像や質感に聴感が集中しました。やがて、近くに聞こえる音に手を伸ばすが何も無い。音がある方へ歩み振り向くが何も無い。天井から降るモノに包まれているはずが、身体には何も及ぼされていない。不思議な感覚の臨場感と没入感。  さらに、ヘッドマウントディスプレイのない状態は視野に自由さが加わり、立体音

Borodin: String Quartet No.2 / ストリングカルテット響 [music review]

イメージ
 MQA音源が少しづつ増えてまいりました。ダウンロード配信カタログにあるその多くがマイナーレーベル、インディペンデントレーベルの佳作です。代表的なものでDXDマスター音源をMQA化しそのテスト音源を提供してきたノルウェーの2Lは言うに及ばず、ハイレゾマスターをいち早くMQA化してきた沢口音楽工房・UNAMAS、RME Premium Recordings、OTTAVA Recordsと国内勢が牽引しています。  三大メジャーレーベルについてはワーナーミュージックにある作品がストリーミングサービスTIDALに少しづつリストアップされるようになってきました。新譜は比較的MQA化のリリースが早く、旧譜に時間がかかるのはMQA BobTalksの解説にあったマスター音源の出処確認やレーベルのエンコードスキルにコストをかけているからなのかもしれません。それとストリーミングにシェアを押されているダウンロード配信マーケットの事情も重なります。 ストリングカルテット響 [Borodin: String Quartet No.2]  ストリングカルテット響による2015年リリースのアルバム「ボロディン&スメタナ:弦楽四重奏曲」の前半の楽曲。インターネットラジオOTTAVAのOTTAVA RecordsとRME Premium Recordingsのコラボレーションによる24bit/96kHz以上のフォーマットで録音したハイレゾコンテンツの一つ。OTTAVA Recordsの作品はまずアートなアルバムジャケットが目を惹きます。  RME Preminum Recordingsの サイト にはアルバム収録曲の録音時の情報が掲載されています。録音日時は2015年8月10、11日 岐阜・サラマンカホール。録音のレゾリューションは24bit/192kHz、セッション形式で行われたとされています。録音場所であるサラマンカホールはシューボックス型の客席とパイプオルガンを常設したホールで、残響時間2.1秒の響きが特徴のコンサートホールのようです。    さてボロディンと言えばロシアの代表的な作曲家の一人で「韃靼人の踊り」がとくに有名なので、どことなく中近東やアジアの雰囲気漂う楽曲をイメージしますが、この弦楽四重奏曲は冒頭から格調のある美しくおおらか

レビュー レコードアイテム [無印良品・レッドシダーブロック]

イメージ
 先日街ぶらで古モノを扱う店をハシゴしてたところ、行く先々のショップの匂いが違うものだと改めて感じました。図書館、中古レコードショップなども例外ではなく、人の手に渡ったモノにはにおいがつき、そのモノを所蔵している場所ににおいがあるのは道理と言えます。そのにおいの正体は人の皮脂であったりインク、ホコリ、カビであったり。  中古レコードのにおいは化学製品のようなにおいと、いわゆるカビ臭いにおいが混合しているときがあります。レコード盤自体は洗浄することでにおいはある程度は収まりますが、レコードジャケットのにおいはなかなかとれるものではありません。たとえば40年前のレコードのそれは”年季”として受けとられて然るべきなのかもしれません。とは言ってもカビ臭いにおいはできれば取り去りたいもの。  そこで巷にはメンテナンスのさまざまな経験則や方法論が存在します。そのなかで古本販売大手ブッフオフonlineのコラムが目に留まりました。 【保存版】身近なアレで消せる!本の臭いを消す方法 と 本の汚れを落とす魔法液のレシピとは? などとして、書籍のにおいのとり方やシミ抜き方法の案内等が記されています。内容を読むと身近な生活用品を使っており、レコードやジャケットのケアや消臭に応用できそうな事柄で、なるほど実践的です。  我が家では湿度管理のためにほぼ一年中、加湿空気清浄機を点けています。点けておくと部屋全体のにおいは除去されますが、部屋にあるもののにおいが無臭化されるわけでもありません。やはり中古レコードケース付近やLPジャケットからレコードを取り出すときの匂いは気になります。もちろんレコード盤とその接点となる箇所は日頃から清潔にしておくことがにおいの原因となるホコリやカビを抑制することから、そこは留意している点ではあります。  無印良品の レッドシダーブロック 。これは本来、シューズケア用品としてのアイテムですが、防虫・消臭効果があるとして衣装ケースの隅にいれることも案内されています。我が家も既にシューボックス、クローゼット、本棚に置いていますが、レコード用ストレージとレコードプレーヤー付近にも置いてみました。なるほど効果はあるようで、においが減少したように感じます。  このレッドシダーブロックは芳香性が強いわけではなく、化学薬品系の消臭剤ほどの効果もありません

コラム ラウドネスウォー Part2 ラウドネスノーマライゼーションに関する推奨事項

イメージ
   2017年6月、ラウドネス・ウォーへの提言がリリースされました。オランダ・ユトレヒト芸術学校のEeclo Grimm氏によるラウドネス・ウォーへの論文「 Recommendation for loudness normalization by Music Streaming Services:Eelco Grimm, HKU University of the Arts Utrecht, The Netherlands 」(意訳:音楽ストリーミングサービスにおけるラウドネス・ノーマライゼーションに関する推奨事項) です。  Eelco Grimm氏と言えば拙稿 Part1 でその活動の一面をご紹介しましたが、ハイエンド・プロオーディオ機器メーカー Grimm Audio 社の共同オーナーとしての著名な肩書きと同時に ユトレヒト芸術学校の講師・研究者 としてラウドネス・ノーマライゼーションに焦点を当てた研究を行うとともに、世界的に著名なレコーディングエンジニアで構成する Music Loudness Alliance の一員という多才な顔を持つ方でもあります。  その論文の内容ですが、まず パブリシティ によると、AES 第142回会議 ベルリン 特別イベント”ラウドネス・ウォーⅡ:ストリーミングバトル”と題して『TIDALと協力し420万のアルバムカタログを大規模調査。アルバムにおいて最もラウドなトラックは-14 LUFSに、他のトラックは相対的なレベルに揃えられるアルバム・ノーマライゼーションの開発を行ったと提案。  これらレベルはトラックが他のアルバムのトラックとランダムにシャッフルされたプレイリストで再生されたときにも使用。このプロポザールは38人の被験者に24曲をシャッフルされたプレイリストのトラック・ノーマライゼーションでもテスト。10 LUまでの極端なラウドネスの違いのあるトラックを選択したにも関わらず、被験者の80%がアルバム・ノーマライゼーションを好むことが判明した』としています。 ・  さて 論文 (PDF)は大きく4つのセンテンス(序論、音楽ストリーミングサービスにおける推薦事項、より詳細な研究の項、アルバム・ノーマライゼーションについての付記の項)に分かれています。各概要や要点を意訳して記します。  まず

コラム ラウドネスウォー Part1 ラウドネスノーマライゼーションが音楽ファンに不可欠な理由

イメージ
 AppleMusic, Spotify, TIDALなどストリーミングサービスやインターネットラジオの音量が低いと感じたことはありませんか?  少し前になりますがCommputerAudiophileに「 Dynamic Range: No Quiet = No Loud 」という記事が掲載されました。音楽制作エンジニア"Mitch “Mitchco” Barnett氏の論考で、アナログ時代からデジタル時代への録音、編集作業の変遷と音圧競争の過去と現状が記述されています。ダイナミックレンジの圧縮は音楽の寿命を吸い込むとして、音圧競争を終了するためにダイナミックレンジ値:DR12以上でレコーディングすることを呼びかける興味深い内容です。  関連して DynamicRangeDay (ダイナミックレンジデイ)というサイトではラウドネス関連の客観的なデータが示されています。例えば以下のような副題のサマリーが記されています。 ラウドネスはセールスに影響しない。 リスナーは高コンプレッションを好まない。 コンプレッションが低いの音質は良い。売上には影響しない。 リスナーはラウドな音楽を好まない。  それが本当かどうか確かめてみることにしました。世界で最も売れたアルバムのトップ10のリストです(*1)。 ポッポス、ロック、ハードロックとジャンルに幅があります。 No.1 - Michael Jackson「Thriller」(1982) - 6,500万枚 No.2 - AC/DC「Back in Black」(1980) - 5,000万枚 No.3 - Pink Floyd「The Dark Side Of The Moon」(1973) - 4,500万枚 No.4 - Whitney Houston/Various artists「The Bodyguard」(1992) - 4,400万枚 No.5 - Meat Loaf「Bat Out of Hell」(1977) - 4,300万枚 No.6 - Eagles「Their Greatest Hits (1971–1975)」(1976) - 4,200万枚 No.7 - Bee Gees & Various artists「Saturda

ラベル別INDEX

もっと見る

New Release