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Come Undone [music review]

Meikoによる2018年5月発売のアルバム「Playing Favorites」の中の1トラック。アルバムジャケットはMeikoさん(ミーコと発音)のポートレイト。タイトルのFavoritesとあるように彼女が学生時代から親しんできた楽曲を中心とするカヴァーアルバムです。

 レーベルはChesky Records。録音は2017年9月8日、米・ニューヨーク・ブルックリンのヒルシュセンターにある古い教会にて、全てのレコーディングは1日で行われバイノーラル録音を採用。プロデューサーはDavid Chesky氏、Norman Chesky氏、レコーディング・ミキシング・マスタリングはNicholas Prout氏がクレジットされています。








 Emコードから始まるアコースティックギターのソフトなストローク。Meikoさんがギターのストロークに合わせてソフトに歌い始めます。そしてまもなく印象的なVerseの途中で気づきます。Duran Duranの90年代の楽曲”Come Undone”のカヴァーあることを。Duran Duranのオリジナルはエフェクトの効いたエレクトリックなサウンドでした。

 Meikoさんらのカヴァーはシンプルなアコースティックなギターのブリリアントな音色とキュートかつトランスペアレンシーな歌声が空間に響きわたる高精細でフォーキーな心地よいサウンドです。ベースコードを叩き弾くことによるギターの深い胴鳴りがリズミカルなオリジナルをイメージさせ身体がテンポをとり始めます。




 MeikoさんのYoutubeチャンネルではアルバム収録時の模様をご覧いただくことができます。  

 この作品を含めてアルバムはMeikoさん(Vocal, Guitar)、Ed Maxwellさん(Bass & Synth)、Josh Dayさん(Drums)の3人構成で楽曲を演奏しているようです。それにしても意外なほどに音の多様さを感じます。また”Stand By Me”は有名な楽曲ですが、それ以外は今回取り上げた”Come Undone”やクランベリーズの”Zombie”を含め彼女が聞き込んだ選曲だということが伝わります。

 当アルバム作品をPCに取り込みMQA対応DACのデコーダを通すとMQA認証マークが青色点灯します。MQA-CDのレゾリューションは24bit/17…

レビュー ユベール・スダーン & カール=ハインツ・シュッツ



 兵庫県立芸術文化センターで行われた「第106回 定期演奏会 スダーンのブラームス・シンフォニー & シュッツ 煌めきのモーツァルト」へ行って参りました。週末の午後は薄曇りの空ではありましたが、風はなく穏やかな陽光を感じつつ緑が茂る木々の側を通ると、清々しい初夏の気候を感じます。会場の広場前ではダンス練習を行う若者たちや読書にふける人々が視界に入ります。

 開演時間の30分前に到着いたしました。エントランスは他のホールでも催しがあるらしく老若男女でごった返しており、CD販売ブースには人だかりができていました。会場はKOBELCO大ホール。ステージ中央の指揮台を軸に半円形にオーケストラの椅子と楽器が配置され、コントラバスのメンバーがチューニングを行っていました。

 座席は3階左寄り。時間通りに客席が暗転しステージが照らされ、先ずユベール・スダーンさんが下手より第一バイオリンの間を歩みると、客席から拍手が沸き起こります。そしてスダーンさんがスラリとしたシュッツさんを招き入れます。シュッツさんは煌びやかなフルートを手に持ち、お二方が客席へ一礼し、コンサートがいよいよ始まります。

 演目は
・ザンドナーイ:フルートとオーケストラのための夜想曲
・モーツァルト:フルート協奏曲 第2番 ト長調 K.313
・ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73
 どれも馴染みのある曲ばかりです。とくにモーツァルトのフルート協奏曲はクラシック音楽の中でも好きな作品群であり、今回のプログラムでは期待しています。




 ザンドナーイ:フルートとオーケストラのための夜想曲は当初ピンと来ませんでしたが、演奏を聞いたら思い出しました。誰しも一度は耳にしたことがあるかもしれない曲です。端的に言えば、非常に美しい楽曲でした。シュッツさんのフルートとスダーンさん指揮とPAC(兵庫芸術文化センター管弦楽団)の演奏は明るい音調で、空間にすくすくときらきらと音が拡散していくイメージです。



 
(動画はSinfonia Christkönigでのシュッツさんの演奏模様。PAC定期演奏会ではありません)

 モーツァルト:フルート協奏曲 第2番 ト長調 K.313では小編成に管楽器が加わります。シュッツさんのフルートに管弦楽隊の音色が溶け込み明るく伸びやかです。ザンドナーイの楽曲とのつながりに、先ほどまで歩いてきた初夏の緑の小径のような清々しさを感じ、非常に気持ちの良い演奏でした。万雷の拍手の中でシュッツさんのアンコール曲はオネゲル:牝山羊の踊り。

 休憩を挟み、いよいよブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73。さらに打楽器や管弦楽隊が加わり大編成の陣形でスダーンさんの指揮が始まります。第2番は大らかで落ち着いた優雅な楽曲ですが、前半のモーツァルトの気持ち良さが継続し、また印象的な旋律が各楽章にあり、自然と身体を音に委ねたくなります。約40分の楽曲ですが、長さを感じさせないスダーンさんのジェントルなタクトがそのまま音になったようなイメージでした。

 アンコールはブラームスつながりでハンガリー舞曲 第5番。息の合う演奏が聴きどころでもありますが、PACの演奏は鑑賞するごとに上手くなっているようで、またその選曲にスダーンさんの自信のようなものを感じました。さらに今回の選曲は季節に添い、演奏もフレッシュで明るく穏やかでとても心地よく、楽器の余韻が大ホール空間に綺麗に消えく様は、とても音の良い演奏会でした。






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