Kickstartar(キックスターター)の日本版サービスが始まりました。Kickstarterはクラウドファンディング・サービスの一つです。今までは英語版でもバッカー(支援者)としてサインインやプレッジ(資金の提供)が可能でしたが、日本版ではクリエイターが日本の銀行口座と身分証明書を使用してプロジェクトを立ち上げることができるようになりました。また日本語サポートの体制が整ったようで、それら告知は日本版の
サイトにあります。
さまざまな種類のクラウドファンディングがある中でKickstarterはクリエイターのプロジェクトを支援することをメインにしたサービス。音楽・アート・クラフト・コミックなど全15のカテゴリに分類されるクリエイティブな活動とそれに関心を持つ人々とをつなぐインターフェースです。数年前から欧米のミュージシャンやガジェットメーカーのウェブサイトでリンクが貼られることをしばしば目にする機会が増えていました。
Bandcampもドネーション(寄付)文化をベースにした主として音楽(商品)を提供するサービスですが、Kickstarterはそのさらに前提の制作活動全般を支援するといった性質のサービスで、たとえばアーティストがKickstarterでCDプレス資金を集め、成功すればプレッジ (資金の提供)したバッカー(支援者)に約束したリワード(お返し)を行い、BandcampでそのCDを販売するというアクションが見られ、別のサービスとサービスがリンクしている点がおもしろいところでもあります。
kickstarter.comにブラウズすれば日本版のページにアクセスできます。
サインイン・ログインしなくてもページを下部へブラウズしていけば現在アクティブなプロジェクトが閲覧できます。また左上の「さがす」をクリックするとカテゴリー毎、分野別などのプロジェクトが表示されます。
1. 右上のサインアップを選択
2. 名前・メールアドレス・パスワードを決定
3. アカウント確認メールがメールボックスに届き有効化すれば完了
4. Kickstarterへログインしましょう
Facebookアカウントでサインインすることもできます。
プレッジ(資金の提供)にはクレジットカードが必要です。
たとえばミュージックカテゴリには現在381のプロジェクトがカウントされています。さらにジャンル毎に細分化し表示することもできます。
ウェブ・インターフェースは1ページでほぼ全ての情報が把握できるようになっており、キャンペーンのタブではプロジェクトの目的・内容・ゴール、プロジェクト作成者やクリエイターからのプレゼンテーション(その多くが動画)、ファンディングゴール(目標資金額)、バッカー(支援者)数、ファンディング期間、プレッジ(資金)とリワード(お返し)の内容、リスクと課題が記述されています。
キャンペーン以外のタブではFAQやアップデート情報の閲覧、バッカーがコメントや質問をできるようになっています。これら全てが大事な情報で、とくにプレッジとリワードには先ず注目しがちですが、ここではリスクと課題について必ず目を通すべき内容が含まれています。プロジェクトのリスクが明記され、成功しなかったときの対応なども記載されています。
またページ最下部にヘルプが記載されていますが、ヘルプセンター、ルール、プライバシーポリシーも必ず目を通すべき内容です。ルールはクリエイター向けの禁止項目が明記され、プライバシーについてはバッカーのプライバシー設定が記されています。プロジェクト作成者にはバッカーについて必要最低限の情報しか渡らず、バッカーはプロジェクト参加においてアカウント名とは別にプロフィール名でサービスを利用できたりします。
Stereophlie誌のAnalog Planetでは上記のレコードプレーヤーをファンディングしているという記事
+Audio Announces The + Record Player “Kickstarter Edition" | Analog Planetを掲載したり(左)、Real HD-Audioでは
YARRA 3DX Campaign Launches!として支援している3Dスピーカープロジェクトの記事とKickstarterへのリンクをしています(右)。両方とも既にファンディングゴール(額)を超えています。
例示したものはハードウェアですのでプレッジ額は大きいですが、ただリワードのないサポートであれば5ドルほどからでも参加できますし、リワードがハードウェアではなくTシャツだったり、音楽ソフトのプロジェクトなどでは10ドルで音源をリワードするということもありますので、バッカーとして参加する障壁は低く、付加価値の高いリワードを得る機会があるとも言えます。
バッカー目線でKickstarterを紹介していますが、クリエイター側もクラウドファンディングのグローバルなプラットフォームに日本から参加できますので、世界中からアート&クラフトへの資金募集ができますし、同時にアカウントやワークスのプレスリリースを兼ねることができることから、当然ルール遵守と責任は伴いますが、グローバルなマーケットで思い描いた夢にチャレンジすることができるのではないでしょうか。
Kickstarterをバッカーとして使ってみてプレッジしたファンディングが成功した時には投資というよりは支援という言葉の方がニュアンスとして近い、達成感のような疑似体験を感じます。消費に留まらない、かと言って株や出資とも違う。そのあたりにスーパーバッカーになる方々の気持ちが理解できるような思いが致しました。とは言っても多少のリスクはありますので、ヘルプやプロジェクト概要によく目を通して、ご関心があれば参加してみてはいかがでしょうか。
コメント
コメントを投稿